第5話 初めてのレズビアンバー

2018年6月14日

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バンクーバーに唯一あるビアンバー「Lick Club」。名前からしていかにもレズビアン。
(残念ながらLick Clubは2011年3月26日に閉店。それ以降、バンクーバーに女の子オンリーのバー/クラブは存在しない。。)

ダウンタウンから徒歩10分程のガスタウンというエリアにそのバーがある。ナタリーと、コマーシャルドライブにいたバーを一緒に出て、タクシーに乗ってLick Clubに向かった。

11月終わりの冬に差し掛かるころで、バンクーバーの気温は、夜にもなると6℃を下回っていた。タクシーの中も冷え、私とナタリーは車内の後部座席でお互いを温めあうように肩を抱き合い、少し距離を縮めた。

タクシーの運転手は、道路を挟んでそのバーと反対側の脇に二人を降ろした。そこからでもハウスミュージックの音が漏れて聞こえてきた。小雨が降る中ナタリーは私の手を引き、駆け足でLick Clubに入った

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時間は夜11時過ぎ。そろそろ人が集まってきてもいい時間帯なのに店内の人はまばら。薄暗い照明にバーテンダーが1人とDJが1人。お客さんは数えられるだけでも10人いるかいないかぐらい。年齢層は私たちと同じ20代前半から後半までと言ったところか。

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ナタリーと私はカウンターでジントニックを2つ注文し、飲みながらバー内を見渡した。DJブースの目の前にダンスフロアがあり、4人の大学生ぐらいの女の子たちが踊っていた。美人のフェムの女の子2人とボーイッシュなカッコいい子2人。

「れいちぇる、踊るの好き?」とナタリーが聞いた。

「うまくないけど、好き」と答え、ナタリーに引きつられ、4人のグループに混ざって踊った。

初めての女の子とのデート、初めてのレズビアンバーで初めてビアンの女の子たちと踊ってる私。まさに幸せの絶頂だった。大袈裟かも。いや、決して大袈裟では無く、こんな事を自分が体験するなんて、日本を出るまでは想像も出来なかった世界だった。

2曲ほどダンスをし終えたところでナタリーが「トイレに行ってくるからちょっと待っててね」と言い、ダンスフロアから降りた。私はそのまま4人のグループと踊り続けた。

するとそのグループのうちの1人、ボーイッシュの子が私に話しかけてきた。

「どこから来たの?私ヘレンって言うけど、あなたは?」

「日本から来たよ。私はれいちぇる、よろしくね」

何回かそんな会話をやり取りした後、急にヘレンが私の手を引いてダンスリードをし出した。2~3回ターンをさせられた後、さらに私の腰あたりに手を置き、ヘレンの方に引き寄せられた。

距離が近すぎたと思ったので、すぐ引き離そうとした瞬間、誰かに後ろから腕を捕まれた。ナタリーだ。その一部始終を見ていた彼女は、私の腕を掴んだまま強引に外に連れ出した。

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