第4話 女の子とのファーストデート

2019年9月13日

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ナタリーと初めて会う日の当日。その日は夜8時から会う約束をしていた。場所は、バンクーバーの*コマーシャルドライブにあるバー。

朝から緊張のし通しで、出かける前に何を着ていけばいいかを決めるだけで1時間は掛かった。自分自身が女の子に興味があることは誰にも言ったことが無いから、相談できる人もいず心細かったけど、先に興味の方が先走ってて気づいたら今日女の子とデートする直前まで来てた。相談できるような友達も特にその時思い浮かばなかった。取り合えず何も深く考えずに突っ走ろう!

 

ナタリーとお互いの写真を交換していなかったから、どういう人が来るのかも想像出来なかったから、余計に緊張に拍車をかけた。

もう勢いで行くしかないと思い、前日のホームパーティで残っていたウォッカをキッチンの棚から取り出し、1杯ショットを飲んでから出かける準備をした。

shots

 

待ち合わせの10分前に着いたから、先にカウンターに座って待つことにした。土曜日の夜だからバーには既に結構の人がいる。お互いの着ている服装をメールで事前に知らせておいたけど、どうも周りを見てみると、アジア人が私しかいないみたいだから見つけるのは簡単かもね、とメールしておいた。

8時丁度にナタリーから、「バーに着いたよ」とメールが来た。

カウンターで携帯をいじっていると、後ろから「ぽんぽん」と肩を軽く叩かれた。後ろを振り向いたら、その女の子は無垢な笑顔で「れいちぇる?」と聞いた。ナタリーだ!

真っ黒なドレスを着ていて、肩にかかるぐらいのブロンドの髪の毛の色とよく似合っていた。私より数センチほど身長が高く小柄で、赤ぶち眼鏡をかけていてた。可愛いかった。

何か一言褒めようと思ったけど、考える間もなくナタリーが「You are pretty!」と満面の笑みで先手を切ってきたので、私は顔が火照って赤くなるだけで何も言えず、強張った笑顔で返した。ショットが今さら効いてきたのか。

ナタリーも少し緊張しているのが感じ取れたから、その後すぐにドリンクをオーダーしようと促し、二人とも赤ワインをグラスで注文した。

バーカウンターから離れ、奥の方のテーブルの席に腰を下ろし、グラスを置いて息をついた。

ナタリーの趣味や出身地の話を聞いた。緊張しているせいか、彼女は早口で話だしたから、私の英語力の足りなさもあって何を言っているかほとんどわからなかった。分かったのは、今現在彼氏がいること。その彼氏はナタリーが他の女の子とデートするのを許してくれていること。つまり、彼氏とはオープン・リレーションシップの関係で、彼氏と付き合いつつ他のデート相手を探していると。

ん?彼氏がいる??

ん???オープン・リレーションシップ????

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ナタリーから出てくる言葉が聞いたこともない用語ばっかりで、何を言っているかを頭の中でプロセスするのにまず時間がかかった。彼女が他の趣味の話を早口でしゃべっている間にやっと思考が追いついた。

あ、思い出した!「Lの世界」で、マリーナがフランチェスカと付き合ってた関係のことだ!

(見ていない人のために、、
フランチェスカとマリーナは遠距離のオープン・リレーションシップをしていて、フランチェスカ曰く、彼女がイタリアにいる時はお互い何をしてるか見えないから他の人と何をしてもいいけど、フランチェスカが家に帰ってきている間は他の人との関係は一切ダメと。で、ジェニーとマリーナがキスをしているところを目撃してフランチェスカが激怒していたシーンがシーズン1で出てました)

あれ?でもこう言うことって、勘違いを防ぐために会う前に初めからプロフィールに書いておくべきなんじゃないのかな、とふと思ったけど、マリーナも、フランチェスカが実際現れるまでジェニーに言ってなかったし、ファーストデートで正直に言ってくれるナタリーは良い人なのかなと思い、特に言うのは止めておいた。

けれど私自身はかなり本気で(初めての女の子とのデートにも関わらず)彼女候補となる人を探していたから、ショックを隠せず、あっけなく勝手に振られた思いをしながら、でもナタリーの人の良さ(と可愛さ)にも惹かれこのまま帰る気もせずデートを続けた。

恋愛以外においては、お互い話が盛り上がった。二人とも映画が好きで最近見た映画「Horrible Bosses」(モンスター上司)や「Social Network」(ソーシャル・ネットワーク)について語り合った。

lesbian_dating

10時頃になって、そろそろ他のバーかクラブにでも移ろうかという話になった。するとナタリーが、

「バンクーバーに1つだけレズビアンバーがあって、私は行ったこと無いんだけど一緒に行ってみない?」

と少し酔っ払った様子で言った。その時は私は赤ワインを3杯、ナタリーは5杯飲んでいた。私はいい感じのほろ酔い気分に浸り、ナタリーが言ってたオープン・リレーションシップのことはどうでもよくなっていた。

 

*コマーシャルドライブ:
バンクーバーのダウンタウンから電車で20分程南東に行ったエリアで、東京で言ういわゆる新宿二丁目のような場所。特にレズビアンが集まるバーやレストランが集結している。一方ゲイが集まるエリアはデイビーストリートと言われるエリアで、ダウンタウンの中心から徒歩圏内にある。日本とは違って海外ではレズビアンとゲイが集まる場所が何となくわかれていることがほとんど。何故か大抵は、ゲイエリアはダウンタウンに、レズビアンエリアはダウンタウンから離れたところにあることが多い。

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